太陽光発電ブームは今後どうなるか?

太陽光発電メーカーの動向からブームの先を見る。

これから太陽光発電は、どうなっていくのでしょうか?

 

まずは、朝日新聞2013年7月1日の記事を抜粋します。
この後に太陽光発電アドバイザー秋山慎也から、メッセージをお伝えします。
市場全体の動きを見ながら、それを踏まえてわれわれエンドユーザーはどうすべきなのか、という点です。

 


太陽電池各社、ソーラー・ブームのピーク後見すえる−再生エネ買い取り制度1年

 

 再生可能エネルギーで発電した電力の全量固定価格買い取り制度が始まって7月1日で1年になるが、太陽電池メーカーは恩恵を享受できていない。急激に需要が膨らみ各社とも販売を拡大するが、十分な利益を確保できずにいる。“ソーラー・ブーム”が去った数年後を心配して増産にも慎重だ。各社とも次の戦略を模索している。(松木喬)

 

中略

 

 日本勢にとっては絶好の機会だ。シャープは2013年度、前年度比21%増の160万キロワットの販売量を計画。京セラも同25%増の同100万キロワット以上の販売を見込む。しかし設備投資となると二の足を踏む。

 

 三菱電機が5月にパネルの生産能力を36%増の年45万キロワットに拡大した以外、増産の動きはない。しかも同社は大型投資が必要な太陽電池セルの設備増強を見送り、パネルだけの増強にとどめた。電材住設PV事業部の朝日宣雄副事業部長は「市場がどうなるか見えず、慎重になった」と語る。

 

 【わずかな黒字】

 

 買い取り制度の開始直後から各社の工場がフル稼働に入った。京セラの太陽光発電事業は黒字転換し、三菱も収益が改善して黒字を確保。しかし各社とも「わずかな黒字」(太陽電池メーカー幹部)で収益性は低い。海外大手が次々に国内市場に参入してパネル価格が下落したためだ。直近では材料のシリコン価格が上昇しており、収益悪化が懸念される。日本勢はわが世の春を謳歌(おうか)できない。

 

 パナソニックの吉田和弘ソーラービジネスユニット長は「メガソーラーは建設用地がなくなり、13年度にピークアウトする」と予想。三菱の朝日副事業部長は「買い取り価格が高く設定される期間が終わる14年度末が受注のピーク」とみる。ピーク後を見すえ、パナソニックは住宅用や集合住宅向けを強化する。メガソーラーに比べ堅調な需要が見込めるためだ。太陽電池工場のあるマレーシアと周辺国にも住宅用を売り込み、海外展開を進める。三菱は家庭用エネルギー管理システム(HEMS)とセットにしてスマートハウス向けに提案する。京セラはパネルの販売だけでなく、メガソーラーの建設や発電事業まで含めて対応する。

 

 海外では需要が一段落した後に設備過剰になった大手メーカーの破綻が相次いだ。日本メーカーにはブーム後の数年先でも利益を確保できる戦略が求められる。

http://www.asahi.com/tech_science/nikkanko/NKK201307010016.html

 

警鐘を鳴らす朝日新聞・市場を牽引する産業用太陽光発電

 

このように現状太陽光発電は大きなブームになっていることは、
連日の報道で疑う余地がないこと疑いの余地のないところとなっています。

 

「流行すたり」という意味でのブームとして、ここで書かれていることは、主に大規模太陽光発電所を中心としたメガソーラーのことです。
すなわち産業用の太陽光発電のことを表します。

 

実際に産業用の太陽光発電は、非常に大きな伸びを見せており、
前年比900パーセントを超える伸び率を見せています。

 

あまりにもの市場の急拡大で、メーカーが設備投資に慎重になるのは、
当然のことと言って良いでしょう。

 

なぜならば、これだけ激しい市場拡大は、全量買取制度という後押しがあるからで、
リスクが低くて投資効果が高い太陽光発電にお金が集まっているからです。

 

そのため、もし全量買取制度の買取単価が著しく下がった場合は、
当然市場自体が大幅に収縮していくことは間違いありません。

 

太陽光発電相場は既に底辺レベルまで値下がりしている

 

もちろん、家庭用の太陽光発電があるので、実際にはこれからも市場全体は、
伸びていくことが想定されていますが、大規模発電所という非常にスケールの大きな購買先は、
当然収縮してしまうため、製品の需給バランスを欠いてしまう恐れがあるわけです。

 

太陽光発電の市場規模予測
株式会社矢野経済研究所(http://www.yano.co.jp/press/pdf/1151.pdf)2013年9月24日発表

 

その時、太陽光発電は価格が安くなる可能性があると私は見ていましたが、
この記事を読む限り、すでに各メーカーはそのような自体を想定して、
市場への製品供給量を調整しているようです。

 

そうなると当然納期は遅くなるけれど、市場が縮小したとしても、
在庫を抱えることがないため、供給過剰になるリスクが減ります。

 

供給過剰リスクが減るということは、価格が値崩れしにくいことを意味しているわけです。

 

これらの太陽光発電の価格動向予測

 

現段階で、すでに太陽光発電事業は黒字幅が小さいということは、
現状の生産技術における製品価格の下落は、これからあまり望めないと言えるでしょう。

 

もちろん、新技術や新素材の開発によって、より安価でより高品質な製品が、
市場に出てくることは間違いないけれど、それは何年も先の話になると考えられます。

 

なぜなら、新技術を使った製品が市場に出回るには、開発から最低でも3年以上の時間を要するからです。
そういう意味では、約3年後以降概ね2020年までをめどに大きな価格の下落が起こるのではないかと予測します。

 

市場全体・メーカーの動向から見る今後の太陽光発電

 

ところで、どうして今回メーカーの話やメガソーラーの話を掲載したか、という点について、
少し考えていただけたらと思います。

 

このカテゴリでは、基本的にはたくさんある太陽光発電に関するニュースの中から、
面白いものや有益なものを選んで掲載しています。

 

今回この記事を転載したのは、これからの太陽光発電の価格について読み解くためです。

 

家庭用や産業用で太陽光発電を導入することを検討している方にとって、
メガソーラーやメーカーの動向はあまり関係ない話のように思われるかもしれませんが、
基本的には家庭用もメガソーラーのパネルも同じ製品を使っているので、
同じ市場の中にあるわけで、当然価格の変動はダイレクトに影響してくるのです。

 

そういう意味で、これからの太陽光発電価格を読むために、この記事を転載しました。

 

これからしばらくは、価格は大きく下がりはしない。

 

けれど、家庭用太陽光発電は、これからもずっと細く長く市場が拡大していくため、
よりよい製品が出てきて、将来的には格段に安価な製品も出てくる。

 

これから先のいつ導入するのがお得といえるのか?4つの理由

 

間違いなく、3年以内に導入するのであれば、導入時期は早ければ早いほど有利ということができます。
なぜなら、次の4つの理由があるからです。

  1. 全量買取制度の買取単価は年々下がる。
  2. 導入時の補助金が2013年度内はある。(2014年度以降は国からはなくなる)
  3. 機会ロスの考え方で、導入が遅くなるほど、導入していなかった分の発電量を確保するのが難しくなる。
  4. 価格はしばらくそんなに大きな変動がない。

 

一方で、それ以降よりよい製品が流通するまで待つのと、今導入するのとでは、どちらが有利といえるのでしょうか?
答えは、新商品の流通価格と性能によりますが、新商品の価格が落ち着くまではしばらく時間を有します。
そういう意味では、やはり新製品を導入するタイミングとしては、2020年以降ということになると思います。

 

となるとやはり、どうせ導入するなら、今導入することがもっともお得になるといわざるを得ないでしょう。
2013年度からすれば約7年、2014年度からすれば約6年。
その間、既に太陽光発電を設置しているのと、していないのとでは累積発電量は、大きく違ってくるでしょう。

 

その違いを補うのは、どれだけ優れた技術革新があっても難しいでしょう。
なぜなら、人は年月を買うことはできないからです。

 

ただし、誰でもが導入したらよいというわけではありません!

 

そうは、いっても誰でもが、今導入することがベストというわけではありません。
導入してよい人と、導入しないほうがよい人がいます。

 

ここを見極めることが、その指針を示すことが、まさに公認の太陽光発電アドバイザーの指名ということができます。
詳しくは、

をご覧ください。


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